組織は、「誰か」がつくるものではない。〜私たちは、組織をつくりながら、組織につくられている〜
組織は、本当に「誰か」が変えているのか
「会社の雰囲気が変わった。」
そんな言葉を耳にすることがあります。
新しい社長が就任したからでしょうか。
制度が変わったからでしょうか。
優秀な社員が入社したからでしょうか。
もちろん、それらも一因かもしれません。
けれども、組織は本当に一人の力で変わるものなのでしょうか。
私は、そうは思いません。

組織は、毎日の小さな出来事から生まれている
組織は、一人の誰かがつくるものではありません。
毎日のあいさつ。
会議での一言。
誰かを気遣う言葉。
失敗した人への接し方。
雑談。
笑い声。
少しずつ積み重なる、その無数の出来事が組織というものを形づくっています。
だから組織とは、「あるもの」ではなく、「作られ続けているもの」なのです。
私たちは、組織につくられてもいる
一方で、不思議なことがあります。
私たちは組織をつくっているはずなのに、その組織に影響されてもいます。
朝、職場に入った瞬間に空気を感じる。
「今日は静かだな。」
「今日は話しかけにくいな。」
そんな経験は誰にでもあるでしょう。
誰かに命令されたわけではありません。
しかし、その空気は私たちの振る舞いを少しずつ変えていきます。
「自分の意思」だけでは説明できないこと
会議で発言するかどうか。
困っている人に声を掛けるかどうか。
失敗を報告するかどうか。
挑戦してみようと思えるかどうか。
その多くは、「自分一人の意思」だけで決まっているわけではありません。
場との関係の中で、自然に選び取っているのです。
組織は、設計するものではなく、育っていくもの
だから私は、
「組織を変えたい。」
という言葉を聞くたびに、少しだけ違和感があります。
組織は、外側から設計して完成させるものではありません。
人と人との関係が変わることで、少しずつ姿を変えていくものだからです。
人と組織は、お互いをつくり合っている
つまり、
私たちは組織をつくっています。
そして同時に、
組織は私たちをつくっています。
この二つは、どちらか一方ではありません。
お互いが影響し合いながら、今日も組織という現実を生み出しています。
社内報が育てているもの
だからこそ、
組織づくりとは、人を変えることではありません。
制度を増やすことでもありません。
人と人との関係を少しずつ変えていくこと。
昨日より少し話しやすくなること。
昨日より少し相談しやすくなること。
昨日より少し笑顔が増えること。
そうした小さな変化が積み重なり、やがて「この会社らしさ」と呼ばれる文化になっていくのだと思います。
社内報も、その一つです。
一冊の社内報で会社が変わることはありません。
けれど、一人を知る。
誰かの思いに触れる。
普段話さない人の顔が見える。
その積み重ねが、人と人との関係を少しだけ変えていく。
そして、その関係が組織を変え、組織がまた私たちを変えていく。
私は、組織づくりとは、その静かな循環を育てる営みなのだと思っています。



