編集後記の意外な効果〜社内報を締めくくるだけでない“編集者の声”の力

 社内報の編集後記は、単なる記事の締めくくりにとどまらず、編集者の声を直接伝える場として活用できます。その魅力を最大限に引き出すことで、読者との共感を生み、社内全体の一体感を育む重要な要素となります。本記事では、編集後記がもたらす効果、活用の工夫、成功事例について解説します。

編集後記の意外な効果と活用法

 社内報の編集後記は、単なる記事の締めくくりにとどまらず、編集者の声を直接伝える場として活用できます。その魅力を最大限に引き出すことで、読者との共感を生み、社内全体の一体感を育む重要な要素となります。本記事では、編集後記がもたらす効果、活用の工夫、成功事例について解説します。

編集後記がもたらす効果

 編集後記を通じて、編集者の視点や意図を伝えることで、読者との距離を縮めることができます。ここでは、その効果を具体的に見ていきます。

1. 編集者の“素顔”を届ける場

 編集者が自身の声を届ける場として、編集後記は非常に効果的です。読者との距離を縮めるために、編集者自身の感想や体験を共有することが重要です。例えば、管理職やリーダー層が編集後記を執筆する場合、硬い印象を和らげ、親近感を生み出すメッセージとして作用します。

 また、心温まるニュースや元気をもらえるような話題を取り入れることで、編集者の人柄や価値観が読者に伝わります。ただし、事件や災害、政治といったセンシティブな話題は避け、読者が明るい気持ちになれるような内容を選びましょう。例えば、地域のお祭りや行事、マルシェ、イベントに参加した感想を紹介するのも良い方法です。さらに、編集者の個人的な趣味やマイブームに触れることで、より親しみやすい印象を与えることができます。たとえば、「最近ハマっている料理」や「これ美味しかった!」といった軽い話題を盛り込むことで、読者が編集後記を楽しく読める雰囲気を作り出します。こうした内容を編集後記に織り交ぜることで、読者は自然と編集者を身近に感じることができ、社内報への興味がさらに高まります。

2. 社内の空気感を伝える“窓口”

 編集後記は、社内の雰囲気や文化を伝える窓口としての役割も担っています。社内の現在の空気感を伝えることで、読者は会社の状況をよりリアルに感じ、親近感を持つことができます。例えば、社員間で話題になった出来事や現場でのエピソードを編集者がピックアップして紹介すると、社内で共有される価値観や日々の活動が伝わりやすくなります。これにより、読者は社内の一体感を感じられるとともに、編集後記を通じて社内報の魅力を再発見するきっかけとなるでしょう。

 また、社内で起こった小さな変化や取り組みを記録することも有効です。このような記録は、後に振り返る際に役立つだけでなく、日常の努力や成果を共有することで社員同士の連帯感を高めます。「先月の安全週間では、各部署が独自の工夫を凝らし、日替わりで安全ポイントを紹介する企画が大変好評でした」といった具体的な取り組みを紹介することで、社員間の努力や工夫がしっかり伝わり、社内の一体感が生まれます。

 さらに、季節の話題を取り上げることも効果的です。季節の変化は皆さんに共通の出来事であるため、共感を得やすいのが特徴です。「寒くなってきて皆さんもコートを着たり、冬の装いになりましたね。寒い時期ならではのコーディネートも楽しめますね」といった内容を交えることで、季節感を共有しやすくなります。こうした話題は雑談としても効果的であり、社内コミュニケーションの円滑化にもつながるでしょう。

3. 次回への期待感を高める“予告編”

 編集後記は、次回の内容を読者に予告する場としても活用できます。次号のテーマをほのめかす一文を加えることで、読者の興味を引きつけ、閲読率を向上させることが可能です。

 例えば、「次号では、新たに立ち上がったプロジェクトに密着した内容をお届けします!」といった内容を記載することで、読者は自然と次号への期待を持つようになります。また、「来月から始まる新プロジェクトでは、皆さんの意見を取り入れた体制づくりを目指しています。詳細は次号でご紹介しますので、ぜひご期待ください」といった具体的な予告を含めることで、期待感をさらに高めることができます。

 読者を巻き込む質問を編集後記に加えるのも効果的です。「皆さんが最近挑戦したことを教えてください。次号で紹介するかもしれません!」といった問いかけをすることで、読者との双方向のコミュニケーションが生まれます。

編集後記を活用するための工夫

 編集後記をより効果的に活用するには、どのような工夫が必要でしょうか。以下にそのポイントを具体的に紹介します。

1. 個人的なエピソードを織り交ぜる

 編集者自身の体験や気づきを盛り込むことで、読者に温かみや共感を感じてもらうことができます。例えば、「今回の取材では、普段話す機会の少ない社員の方々とじっくり話すことができ、仕事に対する姿勢を改めて考えるきっかけになりました」といった内容を記載すると、読者に親しみを持ってもらえるだけでなく、編集者自身の視点を共有することができます。また、仕事以外のプライベートな話題を織り交ぜることも、読者との距離を縮める良い方法です。たとえば、「週末に家族と訪れた場所での出来事や気づき」を紹介するなど、柔らかなトーンで執筆することで、編集後記が親しみやすい読み物としての魅力を高めます。

 編集後記の執筆は、編集担当が複数いる場合、持ち回りで担当することもおすすめです。これにより、さまざまな視点や表現が加わり、読者に新鮮な印象を与えることができます。

2. 社内の声を反映する

 社員から寄せられたフィードバックや感想を編集後記に取り入れることで、社内報がより参加型のツールとして機能します。例えば、「前号で取り上げた“働きやすい環境作り”の記事には、『部署内で共有したい』という声を多くいただきました。皆さんの声を参考に、今後もテーマを考えていきます」と記載することで、読者は自分たちの意見が反映されていると感じ、社内報への関心を高めることができます。

3. 社内のトレンドや話題を取り入れる

 編集後記に最新の社内トレンドやニュースを取り入れることも有効です。たとえば、「先日導入された新しいシステム、もう試されましたか?『作業効率が上がった』と好評ですが、ぜひ皆さんの意見も聞かせてください」といった内容を含めることで、読者の関心を引きやすくなります。

 また、編集後記は基本的に自由形式で執筆して良いというルールを設けると、編集者がより伸び伸びと個性を発揮できます。社内報の記事と一線を画した柔らかいトーンで執筆することで、読者に親しみを感じてもらいやすくなります。

編集後記の成功事例

 成功事例を通して、編集後記がどのように活用できるかを具体的に示します。

例えば、感謝の気持ちを毎回編集後記に記載することで、社員の協力意識を高めたケースがあります。「毎号の取材にご協力いただきありがとうございます」といった一文を継続して掲載するだけで、取材への協力度が向上し、記事の質の向上にもつながりました。

 また、制作秘話を紹介することで、読者を惹きつけた事例もあります。たとえば、「取材中に起きたハプニング」や「撮影時のエピソード」といった記事では触れなかった小さな出来事を取り上げることで、親しみやすさが生まれます。こうした取り組みは、「ちょっとした変化もしっかりと見ていますよ!」という印象を与えるだけでなく、社内報というメディアへの信頼感にもつながります。社員との距離を縮める効果があり、社員の間で話題となって閲読率の向上にも寄与しました。

編集後記を成功させるポイント

 編集後記を効果的に仕上げるためのポイントとして、親しみやすいトーンを心がけることが挙げられます。編集後記は100文字から300文字程度に収めるのが一般的で、長すぎると読者に敬遠される可能性があります。そのため、柔らかい表現やユーモアを交えながら、短い文章でいかに効果的に伝えるかが重要です。

 さらに、読者の声を積極的に反映することも重要です。フィードバックを紹介することで、社内報が社員全員で作り上げるものという意識を高めることができます。また、次号のテーマや予告を適切に盛り込むことで、読者の関心を次号へと引きつける工夫も大切です。

具体的な編集後記の文章例

以下に編集後記の具体例をいくつかご紹介します。

例 1: 季節の話題

 「寒さが本格的になり、街の景色もすっかり冬らしくなりました。朝出勤するとき、道端で見かける落ち葉がどんどん少なくなり、冬の訪れを実感しています。先日、家族で訪れたカフェで、冬限定のホットチョコレートを楽しみました。その暖かさが心に染みて、この季節ならではの幸せを感じました。皆さんの冬の楽しみは何ですか?次回は皆さんからのエピソードもご紹介できればと思います!」

例 2: 社内の取り組み

 「先月開催された安全週間では、各部署の個性が光る取り組みが印象的でした。特に製造部が企画した『安全クイズ大会』は、全員が楽しみながら安全意識を高められる素晴らしいアイデアでした。次号では、これらの取り組みの舞台裏に迫る特集をお届けします。どのように準備が進んだのか、ぜひ楽しみにしてください!」

例 3: 編集者の個人的な体験

 「先日、久しぶりに登山に挑戦しました。朝日が差し込む中で登った山頂からの景色は言葉にできないほど美しく、心もリフレッシュできました。この経験を通じて、日常の中で新しいチャレンジをすることの大切さを改めて感じました。社内でも、皆さんの“チャレンジしたこと”をぜひ聞かせてください!新しい発見や学びを共有し合いましょう。」

まとめ

 編集後記は、単なる締めくくりではなく、社内報全体を豊かにするための重要な要素です。編集者の視点やエピソードを通じて読者とのつながりを深めるだけでなく、社員間の一体感や社内の共感を育む効果があります。執筆する編集者自身が楽しみながら、個性を活かして取り組めるような内容にすることで、さらに魅力的な編集後記が生まれます。

 また、複数の編集者による持ち回り形式や自由な執筆スタイルを取り入れることで、多様な表現を楽しむことができます。ぜひ次回の社内報では、読者にとって心に残るだけでなく、執筆者自身も満足感を得られるような編集後記を目指してみてください。

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