社員が増えたら空気が変わる理由〜岡山の企業に必要な「150人の壁」への対策〜
「人数が増えてきたから、会社のまとまりが弱くなった」
会社が成長していく段階で、よく聞かれる言葉ですが、これは特別なことではありません。組織が成長し人数が増えていけば、どんな会社でも一度は直面する、ごく自然な変化です。
社員が10人、20人の頃は、みんなの顔が見え、自然と声を掛け合う雰囲気がありました。誰がどんな仕事をしているのかも分かり、経営者の考えも直接届いていました。ところが、30人、50人と人数が増えていくにつれて、
- 部門ごとの壁ができてくる
- 若手が孤立しているように見える
- 経営者の考えが現場に届かなくなる
といった変化が起こり始めます。
これは、経営者の努力が足りないからでも、社員の意識が低いからでもありません。
人間の関係性には、そもそも限界となる数があるのです。
組織には「人数の壁」がある
イギリスの人類学者ロビン・ダンバーは、人間が安定した関係を保てる人数には段階があると提唱しました。これがいわゆる「ダンバー数」で、「5-15-50-150-500の法則」と言われるものです。
代表的な段階は次の通りです。
- 5人:最も信頼できる親密な関係
- 15人:強い信頼関係を持つグループ
- 50人:顔と名前が一致する集団
- 150人:人間関係が自然に保てる限界
つまり、人間の脳の構造上、人数が増えれば増えるほど、自然な関係だけでは組織はまとまらなくなるのです。
だからこそ、社員が増えた会社で「まとまりが弱くなった」と感じるのは、極めて自然な現象なのです。

大きな組織をまとめるのは「共有された物語」
では、なぜ国家や大企業のように、何百人、何千人という集団が成り立つのでしょうか。
その理由を、『サピエンス全史』では「共有された虚構を信じる力」にあると説明しています。
ここでいう虚構とは、嘘という意味ではありません。人間が共通して信じている「概念」や「物語」のことです。
サピエンス全史で挙げられている主な「共有された虚構」
① 国家
- 日本という国
- アメリカという国
- フランスという国
これらは物理的に存在する「モノ」ではなく、人々が共通して信じている概念です。
② 貨幣(お金)
- 円
- ドル
- 仮想通貨
紙切れやデータにすぎないものが価値を持つのは、みんながそれを「価値がある」と信じているからです。
③ 宗教
- 神
- 天国や地獄
- 仏教やキリスト教の教え
これらも、目に見える物理的存在ではなく、信じることで社会秩序を作る物語です。
④ 法律・人権・会社
- 株式会社
- 契約
- 人権
- 法律
たとえば「株式会社」は建物でも人間でもないのに、
- 銀行口座を持ち
- 契約を結び
- 借金をし
- 訴えられる
という行動ができます。
これは、社会全体が「会社」という共有された物語を信じているからです。
会社に当てはめると
企業における「共有された虚構」は、
- 理念
- ビジョン
- 将来の目標
- 「この会社は良くなる」という確信
などです。
つまり、
「この会社はこうなる」
「この仕事には意味がある」
という物語を信じられるかどうかで、組織のまとまりが決まる、という考え方です。
表面的な言葉だけでは、人は動きません。
しかし、その言葉の背景にある思いや物語を感じ取れたとき、人はそこに共感し、同じ方向を向いて歩き始めます。
つまり、人数が増えてもまとまり続ける組織には、必ず共有された物語があるのです。こうした未来の物語を、みんなで信じられるかどうか。これが、大きな組織をまとめる力になります。
社内報は「会社の物語を共有し伝える装置」
では、その共有された物語は、どうすれば組織に浸透するのでしょうか。
そこで大きな役割を果たすのが、社内報です。
社内報は、
- 社長の考えを言葉にし
- 現場の挑戦をストーリーとして伝え
- 社員一人ひとりの思いを可視化する
ことで、会社の中にある物語を共有していきます。
理念やビジョンは、掲示板に貼っただけでは浸透しません。しかし、社員のエピソードや日々の仕事の中で語られるとき、それは「自分たちの物語」として感じられるようになります。
たとえば、
- 全社員インタビュー企画で、一人ひとりの価値観を知る
- 社員紹介をリレー形式でつなぎ、社内の関係性を可視化する
- 現場の一日を紹介し、他部署の仕事を理解する
- 投稿型の社員参加企画で、会社づくりに関わる実感を持つ
こうした積み重ねによって、
- 職場の会話が増え
- 社員同士の理解が深まり
- 同じ未来を信じる空気
が少しずつ育っていきます。
その空気こそが、人数の壁を越えて組織をまとめる力になるのです。
社内報は、組織の中にある物語を言葉にし、共有するための装置と言えるでしょう。
50人を超えたら、社内報に「投資」してください
これまで多くの企業を見てきた中で感じるのこれまで多くの企業を見てきた中で感じるのは、
- 50人を超えた頃から、社内報の効果が出始める
- 100人を超えると、社内報は必須になる
ということです。
実際に、私のクライアントでも、社員数が50名に満たない会社では、社内報の効果を強く実感するケースはあまり多くありませんでした。逆に、50人を超えたあたりから「社内の空気が変わった」「会話が増えた」といった変化が見え始めることが多いのです。
社員が増えれば増えるほど、関係性を維持するコストは上がります。
しかし、そのコストを放置すると、
- 離職
- 不信感
- 部門対立
という、もっと大きな損失につながります。社内報は、組織の関係性を整えるための「予防的な投資」とも言えるのです。
岡山の企業こそ「物語」が最大の武器になる
ダンバー数の壁を越えるためには、みんなが信じたくなる「共有された物語」が必要になることは前述のとおりです。しかし、その共有された物語は、必ずしも大企業の方が強いとは限りません。むしろ、中小企業の方が、大手には真似できない物語を持っていることが多いのです。
岡山の中小企業には、
- 長年勤めている社員
- 親子二代、三代で働く人
- 社長の若い頃を知っているベテラン
- 家族のような関係性
- 地域の仕事を支える現場
- 経営者の人柄や思いが伝わる距離感
といった、時間と関係性の積み重ねから生まれた物語があります。
たとえば、
「会長の頃から一緒に働いている」
「昔、社長の子どもの子守りをしていた」
そんなエピソードが自然に出てくる会社も、珍しくありません。
こうした関係性は、時給や福利厚生だけでは作れない価値です。
岡山の企業がまず紡ぐべきなのは、「この会社で働く意味が感じられるかどうか」という物語です。
そして、その物語を形にし、組織の中で共有していく現実的な手段が、社内報なのです。そが、人数が増えても組織をまとめ続ける力になるのです。社内報は、岡山の企業が持つ物語を形にし、人数の壁を越えるための現実的な手段と言えるでしょう。
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