社内報に“外の人”を登場させる理由〜協力会社紹介がもたらす5つの価値〜
はじめに〜なぜ協力会社を社内報に?
社内報というと、どうしても「社員のための、社員による、社員の話題」を掲載するもの──そんなイメージを持たれがちです。
しかし、実は社内報には、社外との“接点”を社員に見せることで組織の視野を広げるという、非常に大きな役割があります。特に“協力会社”の紹介は、組織の見えない部分を言語化・可視化する効果があり、結果として感謝・信頼・文化の醸成にもつながるのです。
では、協力会社の紹介を通じて得られる価値を、5つの視点で深掘りしていきましょう。

- 0.1. 自分たちの仕事の「全体像」が見えてくる
- 0.2. 感謝とリスペクトの気持ちが生まれる
- 0.3. “つながり”の見える化が組織の安心感を生む
- 0.4. 協力会社との関係性も深まる
- 0.5. 「共創する組織」へと意識が変わる
- 0.6. 社内報は「関係性を描くメディア」
- 0.7. 協力会社を紹介する際に気をつけたい5つのポイント
- 0.8. 「協力会社の承諾」を必ず得ること
- 0.9. 紹介の内容が“見下し”や“誤解”を生まないようにする
- 0.10. “日常のリアルな姿”を丁寧に伝える
- 0.11. 「協力会社を紹介する目的」を明確にしておく
- 0.12. “取材される側の気持ち”に寄り添う
- 0.13. 信頼関係を育てる“取材”という行為
自分たちの仕事の「全体像」が見えてくる
多くの社員は、自分の担当している仕事についてはよく理解していても、「自分たちの仕事が、他の誰かの仕事にどうつながっているのか」までは見えていないことがあります。
たとえば、製造業であれば、部品加工をしてくれる外注先がいて、パッケージを組み立ててくれる協力会社がいて、配送業者がいて、はじめてお客様の元に商品が届きます。
こうした協力会社の存在を社内報で紹介することによって、社員は「自分の仕事がどこでどう活かされているのか」「どんな人たちと“バトンを繋いで”働いているのか」を知ることができます。
これは単なる業務理解ではなく、視野の拡大・責任感の醸成にもつながります。
感謝とリスペクトの気持ちが生まれる
社内では顔が見えない存在だった協力会社の人たちも、記事に写真付きで登場し、その仕事内容や想いが紹介されることで、“名前のある存在”へと変わります。
「○○製作所の山本さん、こんなに丁寧に仕上げてくれていたんだ」
「納品時間がずれると工程全体に影響するのに、きっちり守ってくれているのは○○運送さんのおかげなんだ」
そんな“あたりまえ”の裏にある努力に気づいたとき、自然と感謝の気持ちや尊敬の念が湧いてきます。そしてこの気づきが、「自分も誰かに支えられている」という認識を育て、謙虚さと誠実さを土台にした企業文化を育てていくのです。
“つながり”の見える化が組織の安心感を生む
特に新入社員や若手社員にとっては、「自分がいるこの会社は、どんな人たちと連携して仕事をしているのか」が見えづらいことがあります。
「社内は分かるけど、社外との関係性は分からない」
この“見えない関係性”が不安につながることもあるのです。
協力会社を社内報で紹介することで、「この会社には、社外にも信頼関係で結ばれたパートナーがいる」と実感できます。これは、会社の“安定性”や“信頼性”を感じさせる重要な情報となり、社員の組織への帰属意識や安心感を高めてくれます。
協力会社との関係性も深まる
紹介された協力会社にとっても、社内報で取り上げられることは誇らしいことです。
「ちゃんと自分たちの存在が認められている」
「取引先の中で、価値あるパートナーとして紹介された」
その実感は、協力会社のモチベーションを高め、相互理解やコミュニケーションの促進にもつながります。また、実際に過去の事例では「社内報の記事を見た別部署が、新たに発注するようになった」「協力会社の採用パンフレットにも引用された」といった、取引以外の関係強化にもつながっています。
一方向の紹介ではなく、“関係性を育むメディア”として社内報が機能するのです。
「共創する組織」へと意識が変わる
協力会社をただの“下請け”ではなく、「共に価値を創るパートナー」として社内報で紹介することは、共創(Co-creation)の意識を社内に根づかせる第一歩です。
「うちは、外部と連携して一つの価値を作っているんだ」
「自分たちの働きかけが、外の人たちにも影響を与えているんだ」
こうした意識が広がることで、日々の業務も“受け身”ではなく“提案型”に変わっていきます。互いにアイデアを出し合い、改善提案や品質向上につながるような関係が育っていく。
つまり、社内報は「協力の文化」を育てる土壌として機能するのです。
社内報は「関係性を描くメディア」
協力会社の紹介は、単なる“人や会社の紹介”ではありません。それは、社内に「ありがとう」の連鎖を生み出し、見えない信頼関係を見える形にし、協力し合う文化を育てるための**“文化装置”**ともいえます。
社内報は、ただの情報共有ツールではなく、関係性を描き、文化を育てるメディア。そこに“外の人”をあえて登場させることで、会社という舞台に、より多くの名脇役たちの存在が浮かび上がり、物語に深みが増していくのです。
協力会社を紹介する際に気をつけたい5つのポイント
社内報に協力会社を紹介することで多くのメリットがありますが、外部の方を扱うからこそ、配慮と誠意ある対応が欠かせません。以下のポイントを押さえておくことで、より良い関係を築きながら、効果的な記事づくりができます。
「協力会社の承諾」を必ず得ること
社内報といえども、外部の方を取材し掲載する場合は、事前の了承が必須です。顔写真・実名の掲載、仕事内容の具体性など、どの範囲まで公開してよいかを確認し、原稿確認もしてもらうことが大切です。
▶︎ポイント:
- 「原稿チェックの時間をしっかり確保する」
- 「掲載後の誌面もお届けする」ことで信頼感アップ。
紹介の内容が“見下し”や“誤解”を生まないようにする
「支えてもらっている」「協力してくれている」という表現が、時に上下関係のようなニュアンスを含んでしまうことがあります。記事中では、対等な関係・共創のパートナーとして描くように意識しましょう。
▶︎NG例:
「うちの仕事を手伝ってくれている外注先」
▶︎OK例:
「ものづくりの現場を支えてくれる頼れるパートナー」
“日常のリアルな姿”を丁寧に伝える
ただ肩書きや会社名を並べるだけでは、社内の読者にとっても他人事になってしまいます。可能であれば、現場での様子や仕事にかける想い、エピソードを取材し、人間味ある表現を加えると効果的です。
▶︎例:
「この部品の仕上げには、0.1ミリ単位の精度が求められる。社内でも“○○さんの腕は別格”と評判です。」
「協力会社を紹介する目的」を明確にしておく
何のためにこの紹介をするのか、社内報チーム内で目的を共有しておくことが大切です。それによって、取材時の質問の深さや記事のトーンが変わってきます。
▶︎目的の例:
- 社員に“仕事の全体像”を知ってもらいたい
- 感謝の気持ちを伝える文化を育てたい
- 社内と協力会社との距離を縮めたい
“取材される側の気持ち”に寄り添う
「何を聞かれるのかな」「変に書かれないかな」
外部の方にとって社内報の取材は少し緊張するものです。あらかじめ趣旨や記事の方向性を丁寧に伝えた上で、リラックスした雰囲気の中で会話を進める工夫が大切です。
▶︎ちょっとした工夫:
- 「読者は社員なので、“こんな人がいるんだ”と親しみを感じてもらえれば十分です」と伝える
- 記事の中に、取材時の笑い話ややりとりを一部盛り込むと、自然な温度感が伝わる
信頼関係を育てる“取材”という行為
協力会社を社内報で紹介するという行為は、単なる記事づくりではなく、“信頼関係を言葉と行動で育てるプロセス”でもあります。
丁寧な取材、誠実な表現、そしてその後のやりとりを通じて、「この会社と一緒に仕事ができて良かった」と思っていただける関係を築く──それが、紹介記事の本当のゴールなのかもしれません。
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