社内報が企業のSDGs達成をサポートする方法

 持続可能な社会を実現するための「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」は、2015年に国連で採択された17の目標と169のターゲットから成り立つ国際的な枠組みです。これらの目標は、貧困や飢餓の解消、環境保全、ジェンダー平等、教育の充実など多岐にわたります。企業においても、この目標に基づいた取り組みが注目されており、企業の社会的責任(CSR)やESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも重要視されています。

 しかし、SDGsの達成は、経営陣や特定部署だけでは実現が難しく、社員一人ひとりがその意義を理解し、自ら行動することが必要です。この点において、社内報は社員全員にSDGsを浸透させ、実際の行動に繋げるための有効なツールとなります。この記事では、社内報を活用してSDGs達成をサポートする方法について具体的に考察します。

1. 社員全員にSDGsを浸透させる

 SDGsの広範な目標を社員全員に理解してもらうには、まず基礎知識をわかりやすく伝えることが重要です。社内報はそのための入り口として最適です。例えば、「SDGsとは何か」「自社の事業がどの目標に関連しているか」といった特集記事を掲載し、社員にSDGsの全体像を提示することが効果的です。

 具体例として、企業のSDGsへの取り組みを「なぜそれが必要なのか」から説明し、社員の日常業務や生活にどのように関連するのかを示す記事を作成します。また、目標ごとに簡潔な解説を加え、例えば「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」など、社内で実践できる行動例を紹介することで、社員がSDGsを身近に感じられるようになります。

2. 社内のSDGs活動を共有する

 SDGs達成には、社員一人ひとりの小さな行動の積み重ねが重要です。社内報を通じて、企業内で行われているSDGsに関連する活動を共有することで、社員の意識を高めることができます。たとえば、以下のような記事が考えられます。

  • 環境に優しい製品やサービスの開発事例。
  • 社員が参加した地域貢献活動やボランティア活動の報告。
  • 職場内で進行中の省エネルギーやリサイクル推進の取り組み。

 こうした記事は、社員が「自分もSDGsに貢献している」という意識を持ち、モチベーション向上に繋がる効果があります。

3. 行動変容を促す情報提供

 社内報は、社員の行動変容を促すためのヒントを提供する場としても活用できます。例えば、次のような記事内容を検討してみてください。

  • エコ活動のヒント:省エネ方法、ゴミの分別のコツ、フードロスを防ぐアイデアなど、日常的に実践できる内容。
  • 個人の取り組み紹介:SDGsに関連した行動を積極的に行っている社員のストーリーを掲載し、他の社員のロールモデルとして提示。
  • 競争心を刺激するランキング:「ペーパーレス化に取り組む部署ランキング」「エコアクションを最も実践した社員特集」など、遊び心を加えた形式で紹介。

 これらの記事は、読者に「自分もやってみよう」と思わせる動機づけとなります。

4. 社内の意見を反映する仕組みを構築する

 SDGsへの取り組みは、社員全員の意見やアイデアを反映することでより実効性を高められます。社内報では次のような取り組みが可能です。

  • 社員アンケートの実施:SDGsに関する関心や希望する取り組みについて意見を集める。
  • 投稿コーナーの設置:社員が自身のアイデアや活動を自由に投稿できる場を作る。
  • 異なる部署間での意見交換:座談会やインタビュー形式で社員の声を取り上げ、共通の目標に向けた議論を活発化。

 これにより、社員が主体的にSDGs達成に参加する文化を育むことができます。

5. 進捗状況を見える化する

 社内報は、企業がSDGsにどれだけ取り組んでいるか、その進捗を「見える化」するための重要な手段です。目標達成度や進行中のプロジェクトの進捗状況を、グラフや図表を用いてわかりやすく共有します。

 例えば、「CO2削減目標に対する現在の達成率」や「女性管理職比率の目標に対する進捗」などを定期的に報告することで、社員が自分たちの努力が形になっていることを実感し、さらなる行動を促します。

社内報はSDGs推進の重要なパートナー

 社内報は、SDGsを推進するための単なる情報発信ツールにとどまらず、社員の行動を変えるきっかけを生む重要な役割を担っています。SDGsの達成には、社員全員が同じ目標を共有し、日常業務の中で具体的な行動を取ることが不可欠です。

 持続可能な社会の実現に向けて、社内報を通じて社員の意識を高め、行動を促し、企業全体のSDGs達成に向けた歩みを加速させましょう。

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