ありがとうの“その先”を社内報で伝える――感謝の気持ちから育てる、あたたかい職場の文化

 職場で何気なく交わされる「ありがとう」。
その一言の裏には、ほんの少しの気づかいや、誰かのやさしい行動が隠れていることがあります。

 忙しいときに、さっと声をかけてくれた先輩。誰にも言わず、当たり前のように雑務をこなしてくれていた同僚。もしかすると、あなた自身も、そんな行動に助けられた経験があるのではないでしょうか。

 でも、そうした行動は目立つものではなく、感謝の気持ちだけが残って、出来事そのものは流れていってしまうこともあります。「ありがとう」の奥にある物語を、そっとすくい上げ、会社の“あたたかさ”として、言葉にして届けていく――。そんな社内報の新しいかたちを、私たちはいま、考えています。そこで今回は、ありがとうカードの取り組みをきっかけに、見えにくかった「誰かのやさしさ」や「小さな貢献」に光を当てる、そんな社内報の活用方法についてご紹介したいと思います。

感謝の気持ちを、社内報というかたちで残す

 「ありがとうカード」という仕組みは、まさに感謝の気持ちの橋渡し役です。
日常の中で交わされる感謝の言葉を、カードというかたちに記し、手渡す。それだけで、職場には静かな変化が生まれます。

 私たちは今、そのカードに込められた言葉を、社内報というメディアの力で“その先”へと広げていけないかと考えています。

 カードの中に書かれた短いメッセージ。
「忙しい中、助けてくれてありがとう」
「いつも黙って準備をしてくれて感謝しています」
その一言の裏側には、見えない行動や小さなやさしさがきっとあるはずです。

書く人・受け取る人・読む人、それぞれが変わる

 以前ご紹介した「ありがとうカード」の記事(こちら)でも触れたように、感謝の言葉は、書いた人の気づきを深め、受け取った人の心を温め、そして、第三者として“読む人”にも影響を与えます。

 感情は、表現されてはじめて共有され、共有されたことで関係性が育ちます。そしてそれが「職場の空気」をゆっくりと変えていくのです。

 社内報は、その“読む人”の役割を担うメディア。だからこそ、カードの中に込められた小さなエピソードを、誌面というかたちで
もっと丁寧に伝えていきたいのです。

「さりげなくボールを拾う人たち」を伝える

 私たちは、そうしたありがとうカードに込められたエピソードの中から、特に「さりげなく支えた行動」「誰かのピンチを自然に助けた瞬間」を社内報の特集コーナーで紹介したら良いのではないかと考えています。

誰かがこぼした“ボール”を拾ってくれる人。

 その行動は、表彰もされなければ、拍手も起きないかもしれません。でも、確実に職場をよい方向に動かしています。その一つひとつを、やわらかい言葉で綴り、読者に届ける。そんな社内報の一つのコーナーが、「自分も、あんなふうに動いてみよう」と思えるきっかけになることを願っています。

感情を見える化し、文化に育てる

 感謝の言葉は、感情の記録であり、行動の証でもあります。そしてその積み重ねが、やがて職場の文化になります。

「ありがとう」を伝え合うことは、チームの関係性を耕し、信頼を育てる“感情の土壌づくり”です。

 それを社内報で少しずつ可視化していくことで、私たちは数字では測れない“人間らしさ”を、会社の中に残していくことができるのではないでしょうか。

ありがとうの先に、会社の未来がある

 「ありがとうの“その先”」を伝えることは、単に美談を紹介することではありません。誰かの行動に意味があると気づき、その行動を言葉にして共有する。そうしてはじめて、「支え合い」や「思いやり」といった価値観が、組織全体に根づいていきます。

 次回の社内報では、ありがとうカードに寄せられた言葉の中から、特に印象的なエピソードを取り上げてご紹介してみてはいかがでしょうか。誰かが出会った“さりげないありがとう”の瞬間を、社員のみなさんに教えてあげてください。
それがまた、誰かの背中をそっと押す一言になるかもしれません。

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