第87回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第87回目のゲストは、障がい者施設で生活支援員として働かれながら、障がい者の方が描かれるアート作品を多くの方に広める活動もされている、障がい者支援施設ももぞの福祉園の生活支援員の池田恵里さんをお招きし、障がい者アートへのこだわり、障がい者支援への思いついて詳しくお伺いしました。


 障がい者支援施設である「ももぞの福祉園」は、障がい者をお持ちの方に、労働の場や、生活介護などのサービスを提供しています。そこで行われる生活介護の一環に創作活動があり、そこで制作された作品は「ももぞのにくらす作家さん」の作品として施設内街の場所で展示などを行い、より多くの方々に利用者の方の活動や秘める可能性を知っていただけるように取り組みをされています。

 ももぞの福祉園の創作活動に対する方針には、「素材の提供」「環境を整える」「指導しない」という3つがあるそうです。面白いのは、決して口出しをしないということです。例えば、利用者さん(作家さん)が絵を描いている時に(他の利用者さんとかが)通りすがりに、絵の上を歩いて足形がついても、その足型の人は作家さんになる。そのくらい作家さんの行動全てを創作活動と捉えているそうです。ですから、ももぞので描かれた絵は基本合作になります。個人の利用者さんが一人で全てを描くことはなく、多い時は20数名の方の合作となることもあるそうです。また、同じものは2度とできないので希少性もあります。指導を全くしないのは、指導をしてしまうと職員の思いになってしまうからだそうです。仮に途中で描くのをやめて余白があっても、その人がやめた時がその絵の完成と捉えるようにしており、まさに本人の興味関心次第です。展示をする時には、障がい者の方が描いた、という先入観で見て欲しくないため、タイトルはつけないそうです。たまたま興味を感じてもらった絵が、障がい者の方が描いた絵、というふうに思ってもらいたい……との思いからだそうです。


 ただ、複数人で描くので、喧嘩も起こるそうです、「私が描いた絵が消えた〜」とか…。大切にしているのはその過程であり、どれだけ真っ黒になっても、そこに至るまでいろんな過程を経てその形になっているので、真っ黒でも立派な作品です。ももぞのと同じように複数人でやっている事業所さんとは出会えていないそうで、ももぞのの良さであり特徴かもしれないとのことです。

 ある時、「障害を持っている人の絵は暗い雰囲気の絵が多いと思っていた」という来館者がいらっしゃり、一時期は絵が真っ黒になるのにモヤモヤしていた時期もあったそうです。
 ももぞのでは、そこまでの過程を大切にしようとしているので、真っ黒でもいいじゃないか、という信念を持っていたそうですが、一般の人の先入観を知った時に、たまたま、真っ黒の絵が連続でできてしまったことがあり、その時はかなりモヤモヤされたそうです。制作過程を知らない人は真っ黒になるまでの経過を知らないので、出来上がった作品だけ見ると暗い作品だと思ってしまう。そこが伝わらないのが残念だそうです。

 販売した絵もあるそうで、展示会の後に買いたいと言われることもあるそうです。欲しい人がいれば売ることはできるとのことです。
 今年度は、「デザインゴールズ」という障がい者アートと企業のコラボで商品開発をする備前県民局のプロジェクトに参加されており、ももぞのの作品が25種類の暖簾として商品化されています。



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