新卒採用に社内報を活用する特集記事のアイデア

 新卒採用活動において、会社の魅力や働き方を効果的に伝えることは非常に重要です。新卒者にとっては、実際の職場の雰囲気やどのような仕事があるのかを具体的に知ることが、入社へのモチベーションにつながります。以前の記事では、社内報を活用することで新卒者に会社のリアルな日常を伝え、職場の具体的な仕事を明確にイメージさせる効果があることを紹介しましたが、今回は、自社の魅力を伝えるには、どのような特集記事を掲載したら良いかを考えてみましょう。

新卒者に会社の魅力を伝える重要性〜新卒者が求めている情報

 新卒者が求めている情報には、会社の具体的な業務内容や職場の雰囲気、キャリアの成長の道筋などがあります。実際にどのような仕事をするのか、どのように自分が成長できるのか、職場の人々との関係性やサポート体制がどうなっているかといった点に強い関心を持っています。また、昨今の時流である、地域貢献やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み、働き方改革といった社会的な価値も注目されています。新卒者にとっては、企業が社会にどのように貢献しているのか、自分がその一員としてどのように関われるのかを具体的に知ることが、入社へのモチベーションにつながります。具体的には、どのような記事が効果的なのでしょうか。新卒者に企業のリアルな姿を届けるためアイデアをあげてみます。

部署の一日を特集して職場のリアルを伝える

 一番、新卒者が興味を持ちやすいのは、実際に働いている人たちの「日常」です。そのため、社内報では各部署の「一日の流れ」を特集するのが効果的です。例えば、営業部の一日、開発部の一日、総務部の一日といった形で、具体的な業務内容とその時間の使い方を紹介することで、新卒者は自分がどのように働くことになるのかを具体的にイメージしやすくなります。また、ただ仕事の内容だけでなく、休憩の取り方や職場の雰囲気についても触れることで、よりリアルな職場像を伝えることができます。

若手社員インタビューでリアルな声を届ける

 新卒1~3年目の若手社員にインタビューを行うことも大変有効です。彼らの入社当初の体験や、どのように成長してきたか、苦労したことや成功したことを赤裸々に語ってもらうことで、新卒者にとっての「先輩像」が具体化します。このリアルな声を通して、入社後の生活やキャリアの道筋を想像しやすくなり、自分も同じように成長できるという前向きな気持ちを持たせることができます。

部署間の連携を特集して協力体制をアピール

 異なる部署のメンバーが一緒に取り組んだプロジェクトの事例を特集することで、社内での協力体制やチームワークの大切さを強調することができます。部署間の連携を特集することで、新卒者は「この会社では、いろいろな人と関わりながら成長できるんだ」と感じるでしょう。特に、大きなプロジェクトが成功に至るまでの過程を詳細に取り上げ、その中での苦労や喜びを共有することで、協力することの大切さや達成感を伝えることができます。

フォトエッセイで職場の雰囲気を視覚的に伝える

 写真を中心に職場の雰囲気を伝えるフォトエッセイも効果的です。真剣な眼差しで仕事をしている社員の姿や、職場の風景や社員の何気ない瞬間を切り取ることで、新卒者は文字情報だけでは感じ取れない「空気感」を視覚的に体感できます。これにより、実際に自分がその職場にいることを想像しやすくなり、親しみを持つことができます。
 撮影のテクニックとしては、現場で作業している職人(技術者)の手元のアップや、パソコン作業している事務員のモニターを見る視線など、仕事に没頭している真剣味を感じさせるシーン。また、休憩室で談笑している女性社員や、普段の朝礼の風景などの日常的なシーンなども良いでしょう。

成長ストーリーで未来のビジョンを示す

 社員の成長ストーリーを特集するのも一つの方法です。新卒で入社してから現在に至るまでのキャリアの歩みや、その中で身に付けたスキル、乗り越えた課題などを紹介することで、新卒者にとっての未来像を提示することができます。「この会社に入れば、自分もこんなふうに成長できるんだ」と思ってもらうことが重要です。成長ストーリーには、失敗談やその克服の過程も含めることで、より親近感を与え、挑戦を恐れない姿勢を育むことができます。

採用担当者の裏話で新卒者の期待感を高める

 採用担当者の「裏話」を特集することも面白いでしょう。採用担当者が考える「理想の新卒像」や、面接で印象的だったエピソードを紹介することで、新卒者にとっての目標や期待が具体化され、選考に臨む際のモチベーションが高まります。また、入社後のサポート体制として、メンター制度や研修プログラムの紹介も行うことで、新卒者が持つ不安を和らげ、安心感を提供します。

採用イベントの模様を紹介して選考過程を明確にする

 グループディスカッションや採用イベントの模様を社内報で取り上げることで、新卒者に会社の選考過程やどのような人物が評価されるのかを伝えることができます。これにより、新卒者は自分がどのように振る舞えばよいのかの参考にすることができ、選考に対する不安が軽減されます。

 これらのアイデアを通じて、社内報を新卒採用の強力なツールとして活用することが可能です。会社の日常や社員の声、チームワークの重要性など、リアルな情報を積極的に発信することで、新卒者に会社への理解を深めてもらい、彼らが「ここで働きたい」と思える環境を作り出すことができるでしょう。

参考までに、特集記事のアイデアを掲載しておきます。

  • 各部署の「一日の流れ」特集
  • 若手社員インタビュー
  • 部署間の連携を紹介するクロス部署コラボ企画
  • 職場の雰囲気を伝えるフォトエッセイ
  • 社員の成長ストーリー
  • 採用担当者の裏話特集
  • メンター制度やサポート体制の紹介
  • グループディスカッションや採用イベントの模様の紹介