「2021 ももぞの学園作家展 〜ももぞのに暮らす作家たち〜」に行ってきました!

 2021年10月31日に岡山県天神山文化プラザで開催されている「ももぞの学園作家展〜ももぞのに暮らす作家たち〜」に行ってきました。
 今回展示されていた作品は約70点、作家さんは、社会福祉法人ももぞの学園の利用者さん41名です。

 どの作品も、楽しんで描いているのが伝わってくるような作品ばかりで、気の向くまま思いっきり描いたんだろうなぁ〜という印象を受けました。興味深いのはその技法です。筆はもちろん、ローラーや刷毛、布箒で絵の具を散らしたり、水風船に絵の具を入れキャンバスにぶつけたり、水で膨らむ球を絵の具で膨らませ、投げたり踏んだり転がしたり、おはじきやコルクを貼り付けたり…。先入観にとらわれない自由は発想で描かれた作品には、清々しささえ感じます。

落ちた絵の具をそのまま…アップで見るとこんな感じ!→

 色使いも斬新です。ここでは紹介しきれませんが、一人の作家さんが描かれた作品もありますが、多くの作品は、みんなで協力して描いた(でも、それぞれ好き勝手に描いている)作品とのことです。中でも面白かったのが、一つの作品を複数の施設に回して、別の作家さんが上から書き込んでいった作品では、下に書いた絵の名残が微妙に見えていて、えっ?なんでこうなったの?みたいな作品もあり…。

 アート担当の池田さんにお話を伺いましたが、作家さんたちの自主性を大切にしているので、一切制約せずに描いてもらっているとのことでした。ですから、やりたいと思う人がいたら始まるし、飽きるまで続くのでいつ終わるかも決まっていない。ローラーが好きな人がやり始めたら、みんなんが真似してローラーを使ったり、逆に我関せずで一人黙々と好きなやり方で描く人がいたり…。


 想像しただけでも楽しい時間だなと思います。幼少期に壁や襖に落書きして楽しかったけれど怒られた記憶というのは、多くの方が持っていると思います。大きなキャンバスに思いっきり描ける…それも絵の具をぶちまけても怒られないなんて!大人になった今でも楽しいと思える素敵な環境です!
 ももぞの学園さんの取り組み姿勢が掲示されていました。

 普段、私たちは、さまざまな先入観や、常識と言われるものも含め、知らず知らずのうちに多くの制約の中で生活しています。今回の作品を観て、もっと自由に発想していいんだ、もっと違う視点で考えたら違う景色が見えるかもしれない、もっと楽しいかもしれない…なんだかそんなことを思いました。本当に素晴らしいアート作品に触れることができました。

 今回の作家展を主催されている、ももぞの学園のアート担当の池田さんには、来年3月にラジオ番組「気まぐれ!メンズトーク」にご出演いただく予定です。その時には、創作に関する詳しい話、裏話も含め、色々とお伺いできたらと思います。期待していください。