第98回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第98回目のゲストは、地元岡山・倉敷を中心に活躍する縄文アーティストの兵頭百華さんをお招きし、縄文式土器の制作や個展の開催を通じて伝える「縄文の心」や、猪風来(いふうらい)美術館陶芸指導員として陶芸指導をするなどの活動や縄文土器の魅力など、縄文に対する熱い想いをお伺いしました。

 

<縄文式土器との出会い>

 小・中学校は、何となく学校を休みがちで週3日ぐらいしか登校していなかったが、みんな心配してくれていて、たまに学校に行くと友達の顔が見ることができて楽しかった。しかし、自分には学校のスタイルや考え方が合わず「学校に行きたくない」とお母さんに言ったとき、「絶対学校に行かなければならないことはない。ケガしたら休むのが普通だから、心がしんどい時は、心がケガをしているのと同じだから、休んだらいいんじやない?」と、温かく見守ってくれた母にとても感謝していると語る兵頭さん。

 そんな兵頭さんは2019年に猪風来先生に出会ったことが人生の転機となります。中学から知ってはいたが、初めて猪風来先生の作品を目の当たりにした時、作品の大きさ、迫力、表現力、エネルギーに衝撃を受けます。そして、縄文に興味を持ち縄文の時代の生活や風習を貪るように調べるようになっていきます。
 縄文時代は、女性が尊重されていて、争いもなく豊かな精神性を持ち、1万年以上に渡り続いた時代でした。日々の生活で使う器に、100%のエネルギーをつぎ込んでいる。それは、心が豊かでなければ、できないと感じた。器に入れる食べ物は、大地の恵みであり、大きな命でもある。人間も自然のサイクルの中にいるのだから、大事な命を入れるものとして、器を大切に考えていたのではないかと再認識したそうです。

<縄文の魅力>

 現代社会は、自然、地球のサイクルからかけ離れてしまっているのではないか? お金、時間を無駄に浪費しているのでは? 縄文を調べることで、お金の使い方、考え方を見直すキッカケになったと、古代の人々の生活から大きな気付きを得たとのこと。

 縄文土器は、全国で何100種類もあるが、まとめると2つの共通したものがあり、それが「勾玉」と「縄紋様」。
「勾玉」は、命の根源の形、「縄」は、命を守るために必要な根源の形。

 共通項の「勾玉」と「縄紋様」が全国の縄文土器にみられることは、縄文人の心は、自然界の一員として自らを捉え、生きとし生ける物全てを大切にし、感謝する考えが根底で繋がっています。そして、縄文の考えは、シンプルで真理をついている。縄文土器作成に没頭していると、これらの大事な物を思い出させてくれる。それを思い出す為にも、創作したいし、表に出て伝えて行きたいと思うようになったそうです。

 現在、兵頭さんは、新見の猪風来美術館での陶芸教室、水島の展示会、ワークショップなどで縄文の心を伝えています。
 今までは美しい、美しくない、技術のある、技術のないなど、自分で枠を作っていたため、模写が多かったそうです。しかし、これからはどんどん創作していきたい。猪風来先生曰く「子どもでもお年寄りでも、思いを込めて作った土器は、全て尊い」。腑に落ちたので、創作していく!! 自分は、自然のサイクルの中にいる事を知った状態で、生活していきたい。そして、縄文土器を通して、伝えていきたい。

 そう熱く語る兵頭さんがとても印象的でした。

 

 

<連絡先> 

縄文土器作りの体験は、毎月第2、3の水曜日と日曜日に開催。場所は猪風来美術館。

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