泣ける会議 部下が活躍できる職場にするマザーリングマネジメント

著 者:金子 祐子
出版社 ‏ : ‎ 実業之日本社
発売日 ‏ : ‎ 2017/7/7

 『泣ける会議 部下が活躍できる職場にするマザーリングマネジメント』を読んで感じたのは、「人間関係の改善が業績向上に直結する」という、いわば経営の本質を改めて思い出させてくれる本だということです。本書では、そのための具体的な手法と、実際の企業での事例が豊富に紹介されています。

 正直、この手法を導入するには時間と労力がかかると感じる部分もあります。しかし、その効果は非常に確実で、長期的な視点で考えれば十分に実践する価値があると納得させられました。部下に自発的に行動し、活躍してもらうためには、まずはトップ自身が意識を変える必要がある。そのことを痛感させる内容です。

 本書に登場するエピソードの中には、心に深く響くものが多くありました。特に、部下の成長を見守りながら寄り添い、励ます「マザーリング」の姿勢がもたらした成果には、思わず胸が熱くなる場面も。タイトルの「泣ける会議」という言葉が示す通り、ただ感動するだけでなく、「人と人が本気で向き合うと、職場はここまで変わるのか」と気づかされる瞬間がたくさんありました。

 また、この本の魅力は「やり方」だけでなく、「なぜそれが必要なのか」という理由や背景が丁寧に説明されているところです。単なる技術論にとどまらず、組織運営における深い洞察が込められており、どのような職場環境にも応用できる内容だと思います。

 「部下がなかなか主体的に動いてくれない」「職場の雰囲気をもっと良くしたい」と感じている方にとって、本書はきっと新しい視点と実践のヒントを与えてくれるでしょう。管理職やリーダーの方だけでなく、職場の人間関係に課題を感じているすべての方に読んでほしい一冊です。

 良い本に出会うと、自分自身も少し変わった気がします。この『泣ける会議』は、まさにそんな影響を与えてくれる一冊でした。ぜひ一度、手に取ってみてください。