第113回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第113回目のゲストは、200年以上にわたり伝統の酒造りを続ける十八盛酒造株式会社の代表 兼 杜氏である石合敬三さんをお迎えしました。酒造りへの情熱や、日本酒の魅力についてたっぷりと語っていただきました。

<十八盛酒造の歴史とブランド>

 十八盛酒造は、天明5年(1785年)に児島で蔵を開いて以来、石合家によって代々受け継がれてきました。石合さんは8代目にあたり、代表ブランドである多賀治は、杜氏になった翌年の2013年にスタートしました。

もともと蔵は「三吉」という名前でしたが、5代目・石合多賀治が「十八盛(じゅうはちざかり)」と名付けました。


主なブランドラインナップ

  1. 多賀治:手作りの丁寧な酒造りが特徴。限定生産のシリーズも人気。
  2. 十八盛:伝統を守る十八盛酒造の中核を担うお酒。
  3. ことのわ:新たな層へ向けた挑戦的なライン。

 特に「多賀治」シリーズでは、岡山県産の酒米(「雄町」「山田錦」「吟のさと」など)を使用し、丁寧な手作りと少量生産にこだわっています。

<酒造りの魅力:「麹」がすべて>

 石合さんが何よりも大切にしているのは「麹」です。酒造りでは麹が米を分解し、酵母がアルコールへと変える過程を支えます。「麹がすべての要。米や酵母が味を決めるが、その米を酵母が食べられる状態にするのが麹。そのため麹作りが酒造りのキモ」と石合さんは語ります。

 十八盛酒造では、酒造りの中心にあるのが岡山の地元米。酒米「雄町」「山田錦」を中心に、食米「あけぼの」や「朝日」も使用しており、米ごとに異なる風味を楽しむことができます。

<日本酒の醸造過程:「生酛」と「速醸酛」>

 石合さんは、伝統的な「生酛造り」にもこだわりを持っています。

  • 生酛造り:自然の乳酸菌を利用し、酒母を30日かけて丁寧に育てる製法。複雑で深みのある味わいが特徴です。
  • 速醸酛:人工的に乳酸を加えることで、10日ほどで酒母が完成。効率的ですが、生酛とは一味違う仕上がりになります。

日本酒は「並行複発酵」という、世界でも珍しい発酵方法で造られます。

  • 麹が米の澱粉を糖し、
  • 糖が酵母によってアルコール発酵する。

 この2つの反応が同時に進むことで、繊細な甘みと豊かな香りが生まれるのです。醪(もろみ)は27日間かけて発酵を終え、その間、バランスを崩さないよう細やかな管理が求められます。

<酒造りをさらに突き詰める>

 石合さんは今後の目標について、「酒造りをもっと突き詰め、生酛造りや蔵付き酵母にも挑戦したい」と語ります。

「今は醸造協会の酵母を使っていますが、蔵の中に住み着いた酵母を活かすことで、より個性的な酒ができる。酵母が米を食べ、米が酒の味を決める。その工程を極めることで、さらに魅力的な日本酒を造りたいです。」

<新商品のご紹介>

  • 新商品『たかじ』:平仮名で柔らかい印象の新たなブランドが登場予定。
  • 動物シリーズ第4弾:これまでの「パンダ」「ペンギン」「シマウマ」に続く新たな動物シリーズが発売予定!

詳細は今後の発表をお楽しみに。

 石合敬三さんのお話を伺い、日本酒造りの奥深さと情熱を強く感じました。手作業にこだわり、岡山の酒米を活かしながら作る日本酒には、地元への愛と伝統を守り続ける姿勢が込められています。

 「麹がすべて」と語る石合さんの言葉から、酒造りがいかに繊細で丹精込めた作業であるかが伝わりました。そして、生酛造りや蔵付き酵母への挑戦は、これからの十八盛酒造の進化を予感させます。

 新商品「たかじ」や新たな動物シリーズの登場も楽しみですね!岡山の地酒「十八盛」と「多賀治」を、ぜひ味わってみてください。


次回の放送もどうぞお楽しみに!