第101回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第101回目のゲストは、地元水島の魅力を発信し、地域を盛り上げる活動をする傍ら、子供達や高校生など人材育成にも力を入れられている、ミズシマ・パークマネジメントLabo 代表の古川明さんをお招きし、水島の魅力について、また地域活性化の後継者育成についての話をお伺いしました。

 

<前半:重油や石油の流出事故後のフォローで、海洋汚染を最小限に抑えるために奔走>

 三菱石油(現:エネオス)に就職された古川さんは、入社まもない頃に遭遇した1974年水島製油所の重油流出事故への対応と、翌年の1975年の坂出海域の油を回収したことが、後の1978年6月13日宮城県沖地震(震度6)石油タンク3基損壊事故において役立つことになります。地元企業の協力を得てオイルフェンスの7重展張。海洋汚染を食い止める。宮城沖での流出被害を最小限に抑えることができたのは、まさに坂出の自己処理を経験していたからでした。当時24歳くらいだった古川さん、何歳も年上の上司に近隣の各社に協力要請をしてもらうよう頼むなど、若手とは思えない決断力と行動力で積極的に動きます。これが功を奏して被害を最小限に食い止めました。

 その後、1984年9月には、サウジアラビアのアル・ジュベール工業都市へ赴任。帰国後、1986年8月本社需給部に配属されるも、1990年12月湾岸戦争勃発した翌年、1991年4月にペルシャ湾沖で原油の流出が発生。緊急援助隊の一員としてペルシャ湾へ赴き、原油の回収に従事することになります。過去に数々の流出事故処理を行った経験と、サウジアラビアへ赴任していたことが援助隊に選ばれた理由でした。

<後半:水島の地域活性化への取り組みについて>

 会社員時代は、エネルギーの業界で世界を相手に活躍されていた古川さんでしたが、退職後は生まれ故郷の水島に戻り、「みずしま滞在型環境学習コンソーシアム」の活動など地域の活性化に取り組まれています。
 みずしま滞在型環境学習コンソーシアムの活動には、例えば「公害からの再生を学ぶコース」では水島の地域開発とそれに伴う公害の歴史、公害訴訟後の環境再生の取り組みについて学んだり、「平和と多文化共生について学ぶコース」では、水島にある県内最大級の戦争遺跡「亀島山地下工場(軍用機の製作所が空襲を避けるために作られた秘密の工場)」を訪れます。この地下工場を掘ったのは朝鮮人労働者で、現在でも水島には在日コリアンの方が多く住んでいるという事実を知り、戦争遺跡を体感し平和と人権の大切さを学んだりします。この活動は「おかやまSDGsアワード2001」において優良な取組を受賞しています。

 また、古城池高校と街をつなぐ古城池高校の中にある「水島プラットフォーム」のコーディネーターとしての活動では『子供が増えていき、後継者が育っていかないといけない』という思いから、啓蒙活動として、高校を中心に学校の先生方との連携をとりながら、社会問題などについて考えられる人材の育成を目指した活動をされています。現在、高校の教育現場では「総合的探求の時間」というプログラムがあり、実際に地域に出て学ぶ取り組みが始まっています。
 



 昨今、持続可能な社会に向けて数々の取り組みが行われる中、従来の大都市集中型のまちづくりから、それぞれの地方都市が、その地域の特性を活かしたまちづくりを行おうと変化してきています。従来のまちづくりは、観光客を呼び“地域が稼ぐ”ことに主眼が置かれていました。しかし、現在では、単に消費活動を中心に据えるのではなく、みずしま滞在型学習コンソーシアムのように、地域資源を活用して学習コンテンツを作るなど、新しい「教育旅行研修」という形態も現れてきました。こうした取り組みには、その中心となる人が重要です。古川さんのような仕掛け人です。その仕掛け人に地域で暮らす人々が協力することで、このような素晴らしい活動ができるのだと感じました。古川さんの取り組みはまさに地域の人と人を繋ぐ中から生まれてきたものです。私たち「気まぐれ!メンズトーク」もラジオという媒体の特性を活かし、もっと地域の人々を繋げていきたいと思いを新たにしました。今後もさまざまなジャンルのゲストをお迎えし、地域の方へ向けて有意義な発信ができるよう頑張ります!