第134回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第134回目は、岡山県内の河川を中心にごみ拾い活動を続ける「釣り人みんなで、ごみ拾い」代表の平井雅明さんをお迎えし、釣り人としての原点から始まった活動や、海のプラスチックごみ問題への取り組み、そして日常の中でできる小さな行動の大切さについてお話を伺いしました。

 

■ 魚を守りたい。その想いが、海を守る活動へ。

 今回のゲストは、岡山県内の河川を中心にごみ拾い活動を続ける「釣り人みんなで、ごみ拾い」代表・平井雅明さんをお迎えしました。

釣り人としての原点から始まり、
海のプラスチックごみ問題へと向き合う現在まで。
30分では足りないほどの熱量ある時間となりました。

■ ゲストプロフィール

平井 雅明(ひらい まさあき)さん
1958年12月生まれ/岡山市中区在住

 幼い頃から昆虫採集や魚取りに親しみ、自然の中で少年時代を過ごす。将来の夢は昆虫学者。図鑑と向き合い、標本を作り、川で魚を追い込む日々を送る。
 大学卒業後は小売業に就職。仕事の傍らスキーやテニスに熱中し、特にスキーではインストラクターを目指すほど本格的に取り組む。
 その後、趣味の釣りを通して「魚を守りたい」という想いが芽生える。資源管理を学ぶ中で、魚以前に“海そのもの”が壊れつつある現実に気づき、2019年に環境団体「釣り人みんなで、ごみ拾い」を設立。現在は岡山県内の河川や沿岸部を中心に、日々のごみ拾いと啓発活動を継続している。

  • 「釣り人みんなで、ごみ拾い」代表
  • 岡山県環境学習出前講座 講師(海洋プラスチックごみ分野)
  • 岡山市海洋プラスチックごみ対策アクションプラン 推進委員
  • 岡山市エコボランティア活動 アダプトプログラム登録団体
  • 魚神会 副会長
  • ボナンザ フィッシングテクニカルアドバイザー

現在は週2日アルバイトをしながら、朝1万歩を目標に1時間半から2時間のごみ拾いを日課としている。

自然少年から釣りへ、そして海を守る活動へ

前半は、平井さんの原点となる少年時代の話から始まりました。

 幼い頃から昆虫採集や魚取りに親しみ、自然の中で過ごした日々。将来の夢は昆虫学者。図鑑と向き合い、標本を作り、川で魚を追い込む――そんな体験が、今の活動の土台になっています。

 社会人になってからは小売業に就職する一方で、スキーやテニスに熱中。特にスキーでは、思うように滑れなかった悔しさをきっかけに努力を重ね、インストラクターを目指すほど本格的に取り組まれました。何事にも本気で向き合う姿勢が垣間見えるエピソードでした。

 そして現在も外せないのが釣り。魚の資源管理を学ぶ中で、「魚を守るには、まず海そのものを守らなければならない」と気づきます。釣り場で目にするごみの現実が、その思いを確かなものにしました。

 番組冒頭では、実際に食品トレイを手で砕きながら、プラスチックが細かく砕けてマイクロプラスチックとなり、魚がそれを食べ、やがて人の体へ戻ってくる可能性について解説。

「プラスチックは“分解”されるのではなく、“砕けて小さくなるだけ”」

 この言葉が、スタジオの空気を引き締めました。

プラスチック問題の本質と、私たちにできること

後半は、プラスチック問題のより深い部分へ。

 マイクロプラスチックは単に小さいだけではありません。製造時に使われる添加物に加え、海中に残留している有害物質を吸着する性質を持ちます。それを魚が摂取し、生物濃縮を経て最終的に人間へ戻る可能性が、近年の研究によって明らかになりつつあります。

 さらに、ナノレベルまで砕けたプラスチックが血液や脳に蓄積する可能性にも言及。「海ごみ問題」という言葉では足りず、「プラスチックによる環境汚染の問題」であるという指摘が印象的でした。

 意外な盲点として紹介されたのが、稲作で使用されるプラスチックコーティング肥料の殻。田んぼから河川へ流れ出し、海へと到達している現実も共有されました。

 年間4〜5トンのごみを回収し続ける活動の中で、平井さんは海ごみ問題を「糖尿病」に例えます。

 目の前のごみを拾うことは“対処療法”。本当に必要なのは、生活習慣を見直す“体質改善”。

「ごみは最初からそこにあったのではない。誰かの手から漏れたもの。」

だからこそ、私たち一人ひとりの行動次第で未来は変えられる――。

 日常の中でできる小さな行動の積み重ねが、海を守り、やがて私たち自身を守ることにつながる。そんなメッセージを受け取る30分となりました。

放送を通じて・・・

 今回の放送で印象に残ったのは、平井さんが何度も口にされた「最初はそこになかったごみ」という言葉でした。

 ごみは突然現れるものではありません。誰かの手から、どこかのタイミングで、少しずつ“漏れた”もの。目の前のごみを拾い続けるという対処療法の尊さと同時に、本当に必要なのは“体質改善”だという例えは、とても腑に落ちました。

 派手なことではなく、一人が一つ気をつけること。その積み重ねこそが、未来を変えるのだと思います。

 平井さんのおすすめもあり、岡山県が推進する「晴れの国クリーンアップおかやま」で紹介されている、団体「ピリカ」提供のアプリに登録してみました。岡山県内でも多くの方が自主的にごみ拾い活動をしていることが分かり、心強く感じました。ごみが“見える化”されることは、活動の広がりにとって大きな意味を持つのだろうと思います。ラジオの30分でできることは限られていますが、せめて「気づくきっかけ」にはなれたなら。

僕自身も、まずは足元から――。そんなことを改めて考えさせられた放送でした。

また次回の放送も、どうぞお楽しみに。