第112回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!
第112回目のゲストは、縁もゆかりもない倉敷へ移住し、美観地区の外れで美容室「Luthier atelier(ルシアーアトリエ)」を経営するイシグリ イチさんをお迎えしました。美容への熱い想いや倉敷の魅力、そして未来への展望について語っていただきました。
<美容との出会い>
高校1年生の頃、システムエンジニアを目指して進学したものの、雑誌「チョキチョキ」を見て美容師の仕事に憧れるようになったイシグリさん。特に原宿で「かっこいい髪をつくる仕事」がしたいという強い思いから、美容の道を志しました。
地元・新潟の専門学校で学び、コンテストや国家試験に励んだ学生時代。「全国大会で東京の美容学生のレベルの高さを目の当たりにし、洗練されていると感じた」と振り返ります。
卒業後は新潟の美容室で5年間勤務。上京への夢を叶えるため、高速バスで何度も東京に通い、就職先を決定しました。周囲の反対を押し切っての上京には、親から「東京に行ったら体を壊す」と心配されたことも。しかし、イシグリさんは強い意志で新たな挑戦へと踏み出しました。
原宿での生活は驚きの連続だったそうです。「ドン・キホーテで掃除用具を買おうとしたら、トイレの小便器に“ここでうんちしないでください”という張り紙があったんです。すごいところに来たなと思いましたね(笑)。」芸能人に出会う機会も多く、ケンコバさんやザコシ師匠が餃子を食べている姿に遭遇したことも印象に残っているそうです。
<シドニーでの経験と倉敷への移住>
25歳から東京・原宿で働いた後、イシグリさんはシドニーへ渡り、美容室で働くことになります。本来は1年で帰国する予定でしたが、パンデミックの影響で現地に残り、2年半シドニーで過ごしました。
帰国後は東京に戻るつもりだったものの、震災やパンデミックを経験し、「都会でのビジネスには不安要素が多い」と感じたイシグリさん。金沢や京都のような情緒ある街で、自分のビジョンを形にできる場所を探し、倉敷に移住しました。
「倉敷の美観地区は、歴史があり、災害も少ない。道に名前をつけて、自分が死んだ後も“あそこの通り、おしゃれだよね”と語り継がれるような場所をつくりたいと思いました。」
シドニーや原宿のような都会はどこか画一的な雰囲気もありますが、歴史ある街はそれだけではない魅力があると語るイシグリさん。「通りに名前が残るようなことをしたい」という目標には、街と共に成長し、歴史を刻んでいきたいという思いが込められています。
現在、イシグリさんは美容室の運営と共に、ポップアップショップやイベントにも挑戦しています。
- ポップアップショップ
アメリカやヨーロッパのヴィンテージ古着を扱う期間限定ショップを7月末まで開催予定。 - 1周年記念イベント:「スピークイージー」
8月4日に、禁酒法時代の文化を模したイベントを開催予定。おしゃれで遊び心のある空間を演出します。
イシグリさんのお話を伺い、美容師としての技術や経験だけでなく、街そのものへの愛情と夢を感じました。原宿やシドニーで培ったセンスや経験を、倉敷という歴史ある街で活かそうとする姿勢はとても素敵です。「通りに名前を残したい」という目標も、イシグリさんらしい発想で、これからの活動が楽しみになりました。
イベントやショップも、倉敷の新しい魅力を発信する取り組みとして注目ですね!今後のご活躍を楽しみにしています。
次回の放送もどうぞお楽しみに!