第103回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!
第103回目のゲストは、岡山県内外でシンガーとして活躍しながら、舞台や芝居の世界にも活動の幅を広げている「おりゆき」さんをお迎えしました。歌への思いや活動のキッカケ、そして音楽へのこだわりについて、熱い気持ちを語っていただきました。
■おりゆきさんのプロフィール
2020年からシンガーとして活動をスタートし、岡山県内外のさまざまなライブやイベントに出演。その特徴は、まっすぐな歌声にあります。音楽コンテスト『おかやまエンターテイメントチャレンジ+』(通称「エンチャレ」)では、2人組ユニット「ouR’(アウワー)」として出場し、見事グランプリを獲得。さらに2023年5月、G7広島サミット直前に行われた『ワールドピースコンサート』では、原田真二さん、早見優さん、中西圭三さんと共演を果たしました。
高校・大学時代には創作ダンス部に所属し、全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)で特別賞や審査員賞を受賞するなど、表現の世界で輝いてきた経歴を持ちます。現在は「踊れるシンガー」として舞台や芝居へも活躍の場を広げ、ミュージカル出演経験も豊富です。
<歌の世界に入ったキッカケ>
おりゆきさんが歌に救われたのは、社会人として苦しい時期を経験したことが大きなきっかけでした。新卒で入社した会社を2年半で退職し、自分を責め続ける日々の中で「人を不快にさせてしまうのではないか」と言葉を発することすら怖くなっていたそうです。そんな時、歌が彼女を救いました。
仕事が終わるとカラオケに行き、自分だけのために歌う時間が、心を支えるものになったのです。特に「そこに空があるから」(ポケモンのエンディング曲)にある「傷つかなぬものに青空は見えない。迷い歩むたび生命は輝く」という歌詞に深く共感し、感情を代弁してくれる歌の力を感じました。
当時は、怒りや苦しみを吐き出すような曲も歌っていたそうですが、その中で「自分が歌って救われた曲は、同じ境遇の人にも届くのではないか」と気づき、歌を通じて人に寄り添いたいという気持ちが芽生えました。その後、映像・音響設備会社に転職しますが、やはり「表舞台に立ちたい」という思いが強くなり、シンガーとしての道を歩み始めました。
「少し元気がない時に、上を向けるような歌。一歩目を踏み出す勇気をくれるような歌。」
中島みゆきさんの『ファイト』のように、聴く人の心にそっと寄り添い、力強く後押しする歌を届けたいと語るおりゆきさん。その姿勢からは、歌詞を大切にし、人の心に響く歌を真摯に追求する姿が感じられます。
<シンガーとして活動を広げた「エンチャレ」>
おりゆきさんがシンガーとして大きな一歩を踏み出すきっかけとなったのが、岡山エンターテイメントチャレンジグランプリ、通称「エンチャレ」です。このコンテストには、俳優として活動する浦宗さん(ギター)と「ouR’(アウワー)」というユニットを組んで出場しました。
「ouR’」が初めて作った曲は『アウワーソング』。
「誰だって一人では生きられないし、人のためだけでも生きられない。でも関わり合って支え合って生きている。」そんな人間関係の現実を歌に込めた作品です。
実は、「エンチャレ」本戦出場が決まったのは応募締切のわずか2週間前。そこから浦宗さんと共に猛スピードで準備を進め、前日の夜にようやく映像を録画して応募するというギリギリの挑戦でした。しかし、その努力が実を結び、見事グランプリを獲得します。
「エンチャレ」は岡山のアマチュアアーティストが集うコンテストで、約30組が競い合います。グランプリを獲得すると、賞金10万円に加え、ライブ出場権や次年度のコンテストでパフォーマンスを披露する機会が与えられます。おりゆきさんは、この経験を通じてシンガーとしての道を確かなものにしました。
おりゆきさんのお話を伺い、歌の力を信じ続ける姿勢がとても印象に残りました。社会人時代の苦しい経験が、歌に出会い、そして自分を表現する力へとつながったことは、多くの人にとって勇気を与えるストーリーだと感じます。
特に「少し上を向ける歌を届けたい」という言葉には、人の心に寄り添い、そっと支えるおりゆきさんの優しさと情熱が感じられました。エンチャレでの挑戦やグランプリ獲得までの過程も、音楽に対する真摯な思いと努力の積み重ねが実を結んだ素晴らしいエピソードです。
今後もおりゆきさんのまっすぐな歌声が、たくさんの人の心に届くことを願っています。