第123回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第123回目のゲストは、地元倉敷でテーラーを営む「アルドスタイル」の白瀧宰啓さんです。「本当に価値ある商品を、皆様に」をモットーに、素材、スタイル、ディテールに徹底的にこだわった理想の洋服を追求し続ける白瀧さん。その熱い想いを、じっくりお伺いしました。

 白瀧さんは1975年5月2日生まれ。奈良で育ち、小学生の頃から洋服に惹かれていたそうです。周りの誰よりも早くオシャレに目覚めた少年時代。当時はDCブランド全盛期で、ファッションへの関心がどんどん深まっていったといいます。

 高校時代には、大手セレクトショップやエルメネジルド・ゼニアといったプレタポルテ(既製高級服)を好んで着ていたそうで、若いうちから上質な素材やデザインに触れてきたことが、今のセンスやこだわりにつながっているのだなと感じました。

 大学を卒業後は大手のGMS(総合スーパー)に就職するも、洋服への情熱は冷めることがなかったそうです。「本当に価値のある一着を届けたい」という想いから、2015年にテーラー『アルドスタイル』を立ち上げられました。

 素材、スタイル、ディテール――どれも一切の妥協をせず、オーダーメイドのスーツづくりを追求。その姿勢は創業から10年が経った今も変わらず、倉敷の地で理想の一着を届け続けておられます。

テーラーとして独立するまでの経緯

 白瀧さんは、小学生の頃から洋服に魅了されていたそうです。大阪のデパートでDCブランドに触れ、中学生の頃にはポールスミスに夢中に。高校時代はアローズやシップス、ビームスなどのセレクトショップに通い詰め、やがてゼニアやキートンといったハイブランドの世界にも足を踏み入れていきました。


 そんな彼の価値観を大きく変えたのが、大阪のあるテーラーとの出会いだったといいます。ブランドのネームバリューではなく、「本当に価値のある一着」とは何か——質や仕立ての確かさ、そして大量生産では決して生まれない特別な魅力。その出会いが、彼の洋服に対する姿勢を根本から変えたのだとか。

大学卒業後は大手小売企業に就職しましたが、現実は理想とはかけ離れていたそうです。転勤、激しい価格競争、クレーム対応……家族との時間もままならない日々の中で、「このままでいいのか」という想いが募っていきました。


 そして2015年、思い切って会社を辞め、「アルドスタイル」を立ち上げます。以来、一人ひとりと向き合いながら、流行に左右されない、長く愛される一着を丁寧に仕立て続けてきました。

創業から10年。「本当に価値のある一着を届けたい」という情熱は、今もまったく色あせていません。白瀧さんが目指すのは、洋服を通して人の人生に寄り添い、職人としての誇りを守り続ける、そんなテーラーのあり方です。

 今回の白瀧さんのお話から感じたのは、洋服への一貫した情熱と、流行に流されない芯の強さでした。特に「本当に価値のある一着」を追い求める姿勢には深く共感します。テーラーとの出会いで価値観が変わり、自分の信じる道を選んだその覚悟と行動力に、ものづくりの原点を見る思いでした。10年経っても変わらぬ想いに、職人としての美学を感じます。

次回の放送もどうぞお楽しみに!