第119回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!
第119回目のゲストは、地元倉敷市連島で洋菓子店「パティスリー ココロ」を経営する株式会社パリデレーブの代表、中俣英樹さんをお迎えし、フランスと日本のスイーツの違いや、スイーツに対するこだわりについてお伺いしました。
<パティシエを目指した経緯>
パティシエを志したのは高校3年生の時でした。内気な性格ではあったものの、「誰とも違うことをやってみたい」という気持ちがあり、どこかで目立ちたいとも思っていました。バスケットボールをしていたものの全くモテず、「パティシエになれば目立てるかもしれない」という素直な思いから、この道を目指すようになったそうです。
高校卒業後、岡山市内の西日本調理専門学校へ進学し、1年間お菓子作りを学びました。その後、岡山県玉島の「ボンテ洋菓子店」で2年間、さらに香川県の洋菓子店で8年間修行を積みました。しかし、「本場フランスで自分の腕がどこまで通用するのか試したい」という強い思いから、30歳を過ぎてフランスへ渡る決意をします。スーツケースひとつで、「これでダメならパティシエの道を辞めよう」と覚悟を決めての渡仏でしたが、その経験は大きな自信につながりました。
フランスでは「ノアール」と呼ばれる給与が発生しない研修のような形態で働き始めました。現在では考えられませんが、当時は珍しくなかったそうです。フランスで3年半修行を積んだ後、帰国し、地元倉敷に「パティスリー ココロ」をオープン。今年で12年目を迎えます。
<フランスでの修行と、日本とのお菓子の違い>
フランスで驚いたのは、お菓子作りにおいて基本的な作業を何より大切にし、一つひとつ丁寧に手作業で作り上げるクラシックなスタイルが主流であることでした。伝統的なお菓子の製法や素材の組み合わせが多く、その堅実さに強く感銘を受けたそうです。
フランス菓子が美味しい理由の一つは、素材の質の高さにあります。例えば、スーパーで売っている牛乳でさえ、日本のものよりも濃厚で、コクがあります。フランスの牛乳や生クリーム、バターには豊かな風味があり、日本ではなかなか再現が難しいものです。特にバターに関しては、日本のものと比べても明らかな違いがあり、フランスで食べるケーキはその風味の豊かさから格別に美味しく感じます。ただし、フランスのバターを輸入しようとするとコストが3倍近くになるため、日本での再現には限界があるのが現状です。
フランスのお菓子は伝統を重んじるものが多い一方で、新しい発想で斬新なお菓子を生み出すシェフも少なくありません。特にパリは世界中から職人が集まる場所であり、クラシックな製法をベースにしながら現代風にアレンジする新しい挑戦も盛んに行われています。こうしたバランス感覚こそが、フランス菓子の魅力ではないかと中俣さんは語ります。
フランスで培った技術と経験を地元倉敷に持ち帰り、今も一つひとつ丁寧にお菓子を作り続ける中俣さん。伝統と革新の精神を大切にしながら、地域に愛される洋菓子店としてこれからもさらなる挑戦を続けていくことでしょう。
次回の放送もどうぞお楽しみに!