第111回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!

 第111回目のゲストは、幕末三大新宗教の一つとして知られ、神道十三派の草分けとも称される黒住教の教主、黒住宗道さんをお迎えしました。200年以上の歴史を持つ黒住教の特徴や信仰への想いについて、お話を伺いました。

 

<黒住教とは?

 黒住教は、江戸時代後期の文化11年(1814年)に立教された、日本人を教祖とする最も古い宗教の一つです。本部は岡山市の尾上神道山にあり、200年以上にわたり日本各地でその教えが受け継がれています。

黒住教では、日の出を拝む「日拝(にっぱい)」を最も大切な祈りとしています。感動と感謝の心で日の出を拝み、自然と共に生きる「まること」の精神を重んじています。

宗道さんは、日拝について次のように語ります。
 「曇りの日や雨の日でも、お日様は必ず昇り、新しい朝をもたらしてくれます。鳥たちは光合成で生まれた新鮮な酸素を敏感に感じ取り、朝を迎えると共に活動を始める。自然の営みを感じ、朝の光や空気、生命の循環に気づくことが大切なのです。」

 黒住教の信仰は太陽を象徴としながらも、その背後にある偉大な存在、すなわち「サムシンググレート」を見つめています。そして「自分」という存在は「自然」と「分かち合うもの」であり、天照大神の「分け御霊(わけみたま)」をいただいているという日本人独特の自然観が根底にあります。

<信仰への想い>

 黒住教主は、2024年2月に開催された第2回東京平和円卓会議に触れ、紛争地域の宗教指導者たちが一堂に会した意義について語りました。ウクライナ正教、ロシア正教、ユダヤ教、イスラム教など異なる宗教の指導者が集い、戦争を止める力にはならずとも「小さな積み上げが平和への道につながる」と強調しました。

 また、黒住教の信仰は「自然の恩恵」に気づくことが原点にあります。
「人間は意識的に息を止めることはできても、完全には止めきれない。呼吸のように、自然の営みは私たちの中に当たり前のように存在しています。それに気づくことが大切です。」

 日本の「八百万の神」という考え方についても触れました。
「八百万とは無尽蔵という意味であり、あらゆるものが神聖であるという考えです。この自然観は日本独自のものであり、私たちが大切にしなければならない文化でもあります。」

 黒住教主は、宗教が時に「怪しい」と思われがちな現代においても、「良い世界観を伝えたい」と語ります。
「お天道様の魅力や自然の恵みを感じることが大切。宗忠さんの言葉を通じて発信し、自然に生かされていることに気づいてもらいたい。それが私のミッションであり、私自身の想いです。」

 黒住教主のお話から、自然と共に生きることの大切さを改めて感じました。日の出を拝む「日拝」の教えは、現代社会に生きる私たちにとっても、心を落ち着かせ、自然の恵みや生命の営みに感謝するきっかけとなるのではないでしょうか。

 また、「八百万の神」や「分け御霊」の思想は、日本人が古くから持つ自然観や生命観を象徴しています。この価値観を次世代に繋げていくことは、今の時代だからこそ必要なのかもしれません。


次回の放送もどうぞお楽しみに!