第109回 気まぐれ!メンズトークが放送されました!
第109回目のゲストは、『自然農法で人を幸せに!』という夢を掲げ、農薬や化学肥料、動物性堆肥を一切使用しない「秀明自然農法」に取り組むひなたファーム代表・日向健太さんをお迎えしました。昔ながらの米づくりへのこだわりや、自然農法の魅力について語っていただきました。
■日向健太さんのプロフィール
1994年1月2日、倉敷市出身。
中学卒業後は高松農業高校の起業専攻に進学し、トマトの加工や化成肥料、農業機械の基礎知識を学びます。また、全国の農業高校生が集う「農業クラブ全国大会」ではプロジェクトを発表し、中国大会まで進出。
岡山商科大学ではマーケティングを学び、「学校給食を通じた地域づくり」や「地場農産物の活用」など、農業が地域社会に果たす役割を研究しました。大学2年の時、昔ながらの米づくりイベントに参加したことをきっかけに自然農法に興味を持ちます。
卒業後、スーパーの青果部門で働きますが、2年で退職し、父親からひなたファームを継承。現在は総社市で「もち米」や「朝日米」、高梁市川上町で野菜を栽培する傍ら、米づくり体験イベントや農業体験活動を通して自然農法の普及に力を入れています。
<自然農法との出会い>
農業は日向さんにとって幼い頃から身近な存在でした。9歳の頃から父親の農作業を手伝うようになり、「遊びの延長」でもありながら、少しずつ農業への理解を深めていきます。しかし、その父が50歳でくも膜下出血を発症し、農業に専念せざるを得ない状況となったことが、日向さんの中に主体性を芽生えさせるきっかけになったそうです。
「もっと自分が考えて手伝っていれば、父の負担を軽減できたのかもしれない」――そうした思いが、農業に真剣に取り組む原点になりました。
大学時代には、昔ながらの米づくり体験イベントに参加。他大学の学生たちの主体的な姿勢に刺激を受け、自らも「食の背景を体験し、感じてもらいたい」との思いから、マイ田んぼをつくり、手作業による米づくりを始めました。
その後、滋賀県信楽の里で2年間「自然農法」を学び、その経験をひなたファームへと取り入れることになります。
<秀明自然農法とは>
日向さんが取り組む「秀明自然農法」は、農薬や化学肥料、動物性堆肥を一切使わない農法です。その大切な考え方の一つは、「自然をよく観察すること」にあります。
植物は光合成によって栄養を作り出し、その一部を根から土壌へと排出します。それによって土壌の微生物が育ち、その微生物が植物にとって必要な養分を分解してくれます。この自然の共生関係があるため、人間が化成肥料を与える必要はないのです。
「自然の中には不要なものなど存在しない。人間が勝手に判断しているだけ。自然の声をしっかり聞けば、植物は元気に育つ。」と日向さんは語ります。
自然農法では、周囲の環境や土壌との調和を重視し、自然そのものが持つ力を最大限に活かします。そのため、日向さんは自然をよく観察しながら、丁寧に米づくりに取り組んでいます。
<ひなたファームの活動>
日向さんは自然農法を広めるために、地域の人々と交流しながら活動を続けています。総社市では「昔ながらの米づくり体験イベント」や「ふらっと農業体験」を開催し、多くの人に農業や自然の大切さを伝えています。
こうした活動を通して、自然農法の魅力や米づくりの楽しさを体験してもらうことが、日向さんの大きな目標です。「食の背景を知ることで、日々の食事や自然との関わり方に対する意識が変わってほしい」との思いが根底にあります。
日向さんのお話から、「自然と共生する農業」の深さと魅力を感じました。農薬や化学肥料に頼らず、自然の力に耳を傾ける姿勢は、現代社会においてとても大切な考え方だと思います。
「自然の声を聞く」という日向さんの言葉は、農業だけでなく、私たちの日常にも通じるメッセージのように感じました。自然農法を通じて地域社会とつながり、人々を幸せにしたいという日向さんの夢が、これからさらに多くの人に広がることを願っています。
次回の放送もお楽しみに!