なぜ社内報は効くのか

 社内広報を考える上でポイントになるのは、どの施策やツールがどういった事柄に効くのか、を把握して行っているかどうかです。
組織としてのパフォーマンスを上げるには、「見える化」「自分ゴト化」「行動化」が必要になります。ところが、これら3つに効果を発揮する施策やツールは意外と少ないのです。

行動を促すための各施策やツールの効果

電通・イマージェンス インターナルブランディングプロジェクトチームによる
「新たなステージを迎えたインターナルブランディング」より抜粋

 上記の図では、横軸には「見える化」に有効なものを、縦軸には「自分ゴト化・行動化」に有効なものが何かがわかるように、施策やツールを5つのカテゴリーに分け位置付けています。

  • オレンジ色=アナログツール
  • 紫色=Face to Face
  • 茶色=イベント
  • 青色=デジタルツール
  • 緑色=イントラ・Web
  • 薄い青色=社外

 これを見るとわかりますが、経営陣やトップとの会議や面談は、自分ゴト化や行動化に非常に効果があることがわかります。しかし、見える化への効果は低くなっています。また、近年急速に普及しているイントラネットなどのツールは、軒並み効果が低く、逆にアナログツールである、社内報や広報誌が、自分ゴト化・行動化と見える化の双方に効果が高いことがわかります。

 コロナ禍の影響もあり、テレワークが推進され、会社と社員とのエンゲージメントが注目されていますが、デジタルツールだけでは手が届かない部分には、未だアナログツールの強みがあります。デジタルとアナログそれぞれのメリット・デメリットが、そのまま自分ゴト化・行動化、見える化に反映しているかといえば、それだけでも無いと思います。ポイントは、それぞれの施策やツールが一番効果を発揮する使い方やコンテンツは何かを見極めて、補完し合うように社内広報全体をコーディネートすることです。

 私たち中小企業においては、社内広報になかなかコストをかけられないという現状があります。しかし、面談や会議(単なる数字などの報告だけではない、しっかりと目的を持った会議…個人的には雑談会議には効果があると思っています)は、すぐにでも意識して取り組める事柄です。短期間で目に見える効果として取り組みやすいと思います。

 私たちパッションがお勧めするのは、やはり「社内報」です。自分ゴト化・行動化、見える化の双方に効果があり、またコストを抑えながら発行することができるからです。また、社内報が一番効果を発揮しやすいコンテンツは何か、ということをわかっているからです。社内報で全てが解決するわけではありませんが、施策やツールとコンテンツの組み合わせ、施策やツール同士の補完関係を意識し、その上で、あえてアナログツールである社内報を見直されてはいかがでしょうか。